こころを耕す聴くことノートです。今回は、岩田が考える「なぜカウンセリングが必要なのか」をお伝えしていきます。
どうして悩むのか?
悩みやすい、気が沈んでいることが多い、つらい日々を送っている。1人1人の事情やそこから発する想いを抜きに説明すると、これらは感情の傾向性と言います。たしかに相応の体験と時間に打ちのめされることが間違いなくあります。しかし全く同じ経験をしていても悩まずに飄々(ひょうひょう)としている人も存在します。これは悩みが外部からもたらされるのではなく、自分の心の中で作られることを意味します。そのため、辛い毎日を抜け出したいと思うならば自分自身が変わるしかないということです。
自分を変えるのは難しい
では明日からいつもより2時間早く起きてくださいというのはできるでしょうか?食事を2日に1回に減らすことは出来るでしょうか?人はいつも一定のリズムで心臓を打っています。呼吸の仕方、ご飯の噛み方、箸の握り方、食べる時の姿勢、全て毎日同じように知らずとしています。急に練習せずに利き手と逆に箸を持つのは困難ですよね。
例えば上司との関係が悪くなってしまうのは、その人の傾向性によるところが大きいです。職場を変えても、また同じような人と仕事をすれば同じような悩みに出くわすのです。
心理カウンセリングとは
心理カウンセリングは、悩みを引き起こしている問題を解きほぐし、その状態を受け容れ、どうすれば納得のいく状態であることができるかをカウンセラーと一緒に探求する場です。私がこころを耕すと表現しているのはこの部分です。自分の納得いく実がならないのであれば、水や肥料を与えて対処する前に、こころの土壌がどうなっているかまず知ることが必要です。心理カウンセリングはそれを可能にします。私は精神分析をしたり傾向性を定義づけするようなことは実はあまり得意ではないのですが、お話される方がよく仰るのが「知らない自分に気付けた」「こんな自分がいるだなんて知らなかった」ということです。私は聴くことを通して皆さんが自分自身の理解を深めるお手伝いをしているということになります。では、そのことが悩みを解決するためにどんな影響を与えるのでしょうか。それはまた別にまとめたいと思います。